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BLOG · AI入門・機械学習

ディープラーニング(ニューラルネットワーク)の動きをアニメーションで理解する

手書きの数字を見分ける仕組みを、「答えを出す」流れと「ずれを直す」流れで確かめる

公開日 / 著者 富田 良治(TITC合同会社 代表社員)

いまの生成AIや画像認識の土台になっているのが、ニューラルネットワークです。やっていることは、数字を「掛けて、足して」何層も伝えていくことと、答えがずれたらずれを後ろから配り直して、少しずつ直すことの繰り返しです。下のデモで、手書きの数字(0〜9)を見分けるネットワークが育っていく様子を見てみましょう。

動かして確かめる

左の図は、小さなネットワークです。左端が手書きの数字の画素(8×8=64マス、明るいほど濃い)、真ん中が隠れ層(16個のノード)、右端が0〜9のどれかを答える出力です。ノードをつなぐ線は重みで、青はプラス、赤はマイナス、太いほど影響が強いことを表します。まずは「1ステップ進む」を押して、①〜⑤を順に見てください。

ネットワークの中身(1枚の字を見るたびに、①〜⑤が起きます)

青い線=プラスの重み 赤い線=マイナスの重み オレンジ=逆向きに配られる誤差 / ノードは明るいほど値が大きい

  1. ① 入力
  2. ② 順伝搬
  3. ③ 答え合わせ
  4. ④ 逆伝搬
  5. ⑤ 重みの更新

学習の推移(30枚ごとに計測)

黄色の線=外れ具合(損失、下がるほど良い)/水色の線=正解率

あなたの字で試す(8×8のマスに、1マス幅の線で大きく書く)

マスをなぞって数字を書くと、ここに認識結果が出ます。
「1ステップ進む」か「再生」を押してください。
学習した字の枚数:0 枚(0.0 周)
学習用の字(300枚)の正解率:-
初めて見る字(100枚)の正解率:-

「再生」を押すと、最初の3枚は①〜⑤をゆっくり見せ、そのあとは自動で早送りの学習に切り替わります。「初めて見る字」は、学習に使っていない100枚です。

何が起きているのか:答えを出して、ずれを配り直す

ニューラルネットワークは、人間の脳の神経細胞のつながりをまねた計算の仕組みです。ただし中身はシンプルで、「掛けて、足して、形を整える」を層ごとに繰り返すだけです。デモの1枚ぶんの学習は、次の5段階で進みます。

  1. ① 入力:手書きの数字の64個の画素(明るさ0〜1)を、ネットワークの入口に入れます。学習中は、その字の正解(たとえば「3」)もあわせて用意します。
  2. ② 順伝搬:画素の値に、線ごとの「重み」を掛けて足し合わせたものが、隠れ層の各ノードの値になります(強すぎる値は0〜1に収めます)。同じことをもう一度行い、出力の10個のノード(0〜9)の値を出します。最後に「全部足すと100%」になるよう整えて、いちばん大きい数字を答えにします。(図で光が左から右へ流れるところ)
  3. ③ 答え合わせ:答えと正解を比べます。正解の数字に高い確率をつけていれば、ずれ(誤差)は小さく、低ければ大きくなります。(図で、正解の出力に緑の枠がつき、ずれがオレンジの短い棒で出るところ)
  4. ④ 逆伝搬:このずれを、出力側から入力側へ逆向きに配ります。「この線の重みがもう少し大きければ、ずれは小さくなったか、大きくなったか」を、線ごとに計算します。これが勾配です。後ろの層から前の層へ順番に、計算を使い回しながら進むので、効率よく全部の線の分が求まります。(図で、オレンジの光が右から左へ流れるところ)
  5. ⑤ 重みの更新:求めた向きの逆(ずれが小さくなる向き)へ、すべての線の重みをほんの少しだけ動かします。動かす大きさが「学習率」です。(図で、線の色や太さが少し変わるところ)

これを、何百枚、何千回と繰り返すと、最初はでたらめだった重みが、数字の形を捉えるものに育っていきます。「早送り」を押して、右上のグラフで正解率が上がっていく様子を確かめてみてください。

「あなたの字で試す」では、学習前(「最初から」の直後)と学習後で、同じ字の認識結果を比べてみてください。学習前は当てずっぽうですが、学習後は書いた数字をかなり読み取ります。ただし、この教材の学習データは「きれいな字を少しずらしたもの」だけです。極端に崩した字や、傾けた字は苦手です。

ディープラーニングは「層を深くしたもの」

デモの隠れ層は1つだけです。隠れ層を何層にも重ねたものが、ディープラーニング(深層学習)です。層が増えると、手前の層は「線や点」、次の層は「角や曲がり」、さらに先の層は「丸い輪が上にある」といった具合に、単純な特徴を組み合わせて複雑な特徴を作るようになります。仕組みは同じで、順伝搬で答えを出し、逆伝搬でずれを配り、重みを少しずつ直します。いまの文章生成AIや画像生成AIも、層の数と重みの数が桁違いに大きいだけで、この延長線上にあります。

使うときの注意点

中小企業での使いどころ

自社でネットワークを育てるのではなく、すでに学習済みのAIサービスやクラウドのAPIを使うのが現実的です。たとえば、次のような場面があります。

どの場面でも、「自社のデータで試して、間違い方の傾向を確かめる」ことが大切です。精度の数字だけでなく、間違えたときに誰がどう気づくかまで決めておくと、安心して使えます。

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富田 良治

富田 良治(とみた よしはる)

TITC合同会社 代表社員

AI経営コンサルタント。中小企業診断士・ITストラテジスト。元ITエンジニアで駄菓子屋オーナー。 プロフィールを見る