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BLOG · AI入門・機械学習

勾配ブースティング回帰の動きをアニメーションで理解する

「予測のずれ」を小さな木で少しずつ直していく仕組みを、動かして確かめる

公開日 / 著者 富田 良治(TITC合同会社 代表社員)

勾配ブースティング(こうばいブースティング)回帰は、「予測のずれ」を小さな決定木で少しずつ直していくことで、数値を予測する手法です。たとえば「気温から明日の来店数を予測する」「過去の実績から商品の需要を予測する」といった場面で使われます。一度に正解を出そうとせず、少しずつ直す作業を何十回、何百回も重ねるのが特徴です。下のデモで、予測の線が実際のデータに寄っていく様子を見てみましょう。

動かして確かめる

上の図の点は、ある日の「気温」(横軸)と「来店数」(縦軸)です。青い丸が予測の練習に使うデータ(学習用)、オレンジの輪が練習に使わず取っておいた答え合わせ用のデータ(テスト用)です。黄色い太い線が、現在の予測です。まずは「再生」を押してください。

上:データと、いまの予測線

● 学習用 ○ テスト用 ━ いまの予測 ┄ 本当の傾向(「真の形を表示」で出ます)

下:予測とのずれ(残差)と、それを直す小さな木

▮ 実際のほうが多い(予測が足りない) ▮ 実際のほうが少ない(予測が多すぎる) ━ 今回の小さな木

ラウンド:0 回目
学習用の誤差(RMSE):- / テスト用の誤差(RMSE):-
テスト用の誤差が最小:-
「再生」か「1ラウンド進む」を押してください。

青い線=学習用の誤差、オレンジの線=テスト用の誤差(どちらも小さいほど良い)。縦の点線が、テスト用の誤差が最も小さかったラウンドです。

何が起きているのか:「ずれを直す」の繰り返し

勾配ブースティング回帰がやっていることは、次の流れの繰り返しです。デモでは、1回の繰り返しを「1ラウンド」と呼んでいます。

  1. 最初の予測は「全体の平均」:どの日についても、とりあえず来店数の平均を予測にします。(デモの最初の、横一直線の黄色い線)
  2. 予測と実際の差(残差)を計算する:実際の来店数から予測を引いた値です。足りない日はプラス、多すぎる日はマイナスになります。(デモの下の図の縦棒)
  3. 残差を当てる小さな木を作る:「気温がこのくらいなら、ずれはこのくらい」を階段状に表す、浅い決定木です。(デモの下の図の紫の階段)
  4. 学習率をかけて、少しだけ足す:木の答えをそのまま足さず、0.1などの「学習率」をかけて小さくしてから予測に足します。(デモの上の図で、黄色い線が少しだけ動くところ)

足した後は残差が少し縮みます。縮んだ残差に対してまた小さな木を作り、また少しだけ足す……を繰り返すと、予測線がだんだんデータの形に寄っていきます。1本1本の木は「ざっくりした階段」にすぎませんが、何十本も重ねると、なめらかな曲線も表せるのが強みです。

「勾配」という名前の理由:予測のずれを二乗して測る場合、ずれをいちばん速く小さくできる向きは、ずれ(残差)そのものと一致します。つまり、残差を直すことは「誤差を減らす向き(勾配の逆向き)へ一歩進む」ことと同じです。そのため、この手法を勾配ブースティングと呼びます。

使うときの注意点

中小企業での使いどころ

気温・曜日・天気・イベントの有無などから、来店数や売上、商品の需要を予測する場面に向いています。表形式の業務データ(エクセルで管理しているような数字の表)に強く、実務ではXGBoost(エックスジーブースト)やLightGBM(ライト・ジービーエム)といった、この手法を高速・高精度にした道具がよく使われます。

予測が当たれば、仕入れの量やシフトの人数を前もって決められ、欠品や廃棄を減らす助けになります。ただし、予測は「過去の傾向の延長」です。大きな制度変更や新しい競合店の出現など、過去にない出来事は読めません。数字は判断の材料にとどめ、最後は現場を知る人が決めるのが安全です。

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富田 良治

富田 良治(とみた よしはる)

TITC合同会社 代表社員

AI経営コンサルタント。中小企業診断士・ITストラテジスト。元ITエンジニアで駄菓子屋オーナー。 プロフィールを見る