BLOG · AI入門・機械学習
「点の並びに最もよく合う1本の直線」が決まる仕組みを、動かして確かめる
線形回帰(せんけいかいき)は、点の並びに最もよく合う1本の直線を引き、その直線で数字を予測する手法です。たとえば「広告費をかけると売上はどれだけ増えそうか」「気温が上がると来店数はどう変わるか」といった場面で使われます。下のデモで、でたらめな位置にあった直線が、少しずつ点の並びに合っていく様子を見てみましょう。
点の一つひとつが、1か月分のデータだと思ってください。横軸は広告費、縦軸は売上(どちらも万円のたとえ)です。まずは「再生」を押してください。直線が動き、各点から直線までの縦の線と、それを一辺とする正方形が描かれます。正方形の面積の合計が「ずれの大きさ」で、直線が良くなるほど小さくなります。
ずれの大きさの推移(下がるほど、直線が点の並びに合っています)
横軸は広告費、縦軸は売上(万円のたとえ)。薄い正方形の面積の合計が小さいほど、良い直線です。「点を追加する」で画面をクリック(タップ)すると点を足せます。画面の端に1点足すだけで、直線がどう動くか試してみてください。
直線は「売上 = 傾き × 広告費 + 切片」という式で表せます。傾きは「広告費が1増えると、売上がどれだけ増えるか」、切片は「広告費が0のときの売上」です。線形回帰は、この傾きと切片をどう決めれば点の並びに最も合うかを求める手法です。
デモの「再生」では、勾配降下法という方法を使っています。「今の傾きと切片を、どちらへどれだけ動かせばずれが減るか」を調べて、少しずつ直線を動かすやり方です。何度か繰り返すと、直線はそれ以上動かない位置に落ち着きます。一方、線形回帰の場合は計算式で一発で答えを出せるので、「正解を一発で出す」を押すと、直線が最終位置へ一気に動きます。ゆっくり近づく方法と一発の式が同じ場所に着くことも確かめてみてください。複雑なAIでは一発の式がなく、この「少しずつ動かして良くする」考え方が使われます。
決定係数R²は、「直線でどれくらい説明できているか」を表す目安で、最小二乗の直線では0から1の値になります。1に近いほど点が直線の近くに並んでおり、0に近いほど直線では説明できていません。「ばらつき大」や「曲がった関係」に切り替えて、R²がどう変わるかを見てみましょう。
ここでは横軸が1つ(広告費だけ)の場合を見ましたが、「広告費」「気温」「店舗面積」のように項目を増やして売上を説明する方法を「重回帰(じゅうかいき)」といいます。考え方は同じで、ずれの二乗の合計を最小にするよう、項目ごとの傾きを決めます。
「広告費と売上」「気温と来店数」「店舗面積と売上」など、手元にある2つの数字の関係を、勘ではなく数字で確かめるのに向いています。「広告費を10万円増やすと、売上は平均でおよそこれくらい増えてきた」と傾きから読み取れれば、予算の相談や仕入れ量の見当をつけやすくなります。まずは散布図を描いて直線を引き、外れ値や曲がり方を目で確認してから数字を読むのが安全です。結果をどう使うかの判断は、現場を知る人の仕事です。
自社の売上データで予測を試したい、AIで業務を自走化したい——そうした相談は、AIエージェント自走化プログラムまたはお問い合わせからどうぞ。